2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

倫理学者と哲学者

哲生はトルストイの『戦争と平和』をファンタジーノベル『まわる神話』に書き変えようとしていた。哲生は学生の身でありながら小説家としてデビューし、長編小説を書くことを得意としていた。哲生は6畳間の安アパートで小説を書き、哲学者のジャック・バロ…

待たされる時間と待つ時間

精神科の診察に又らされる3時間があっという間と感じる人は少ないと思う。 そして、長い時間≪待った≫としてもそこから恵まれた時間はなかなか得られない。そこではみかけない人ばかりとみかける人がちらほら・・・・・。 待つ時間を愉しくすごすことによっ…

語るって何だろう

私は語ることが下手だ。そのために無意識下のしずさを大切にするようになっていった。人として持っているペンや腕時計はいったい何のための暗示なのだろうか、とか人がてくてくと歩いている靴音はいったい誰の靴音で誰が登場してくる暗示なのだろうかと首を…

アリストテレスのpolitike について

和辻哲郎は『人間の学としての倫理学』のなかで 倫理学は単純にEthicsの同義語として通用している。人は倫理学の語義を問うに当たって、平然とethike,ethos,ehosというごときギリシア語の意味を取り扱い、何ら怪しむところがない。しかし我々の倫理学の概念…

小説を書くということはどういうことか

われわれはいつも神話を求めている。なぜならば、つぎからつぎへと繰り返される日常が、たいくつでツマンネー時をすごしているためだ。そうでない場合も多いが、ここでは省略することにする。「物語り」を書くときに一番難しいのは<自然な会話>と<自然描…

語学ってなんだろう

東京の神田近くにある語学学校に行くと古典ギリシア語やラテン語やフランス語や英語を学ぶことができる。そのなかでもメジャーな古典ギリシア語に何回か通うことができると自然と仲間意識が生まれてくる。私は生来の怠け者なので必ず欠席をしてしまう。そし…

日常

山田明又は小説家であったが、なかなかヒット作品を生み出すことができなかった。明又はショートショートを書くことを得意としていた。明又は哲学の教授をしており、生徒からささやかながらしたわれていた。 しかし、山田明又には肺がんがありもう手遅れの状…

マイル・ストーン

小説を書くことほど難しいことはない。0から1を生み出すいとなみは想像を絶する精神のエネルギーをつかう。<物語りの時間>を考察して人にフランスの思想家ポール・リクールがおりフッサール、そしてハイデガーがいる。とくに<在る>ことについて誠実に…

作家と演出家

島田哲貴は作家でギリシア語の文献をもとに小説を書いていた。島田貴子は哲貴の妻でかけだしの演出家をやっており、クラシック・バレエの演出をすることもあった。クラシック・バレエは貴子が4年間積みかさねてきた経験があり、身体面やメンタル面のケアも…

『小説と劇団』

火村哲明は劇団を経営していた。妻はちびっこ体操教室を経営していた。火村哲明は脚本を書いたり、小説をかいたりしてマルチな才能があり、田舎にもどっても劇団のメンバーとは歓談することが多かった。火村哲明は演劇として太宰治や中上健次の作品を手掛け…

哲学の覚書き

倫理学とはなにか 友たちのつくりかた、人と人とのあいだ和辻哲学とハイデバーより 和辻哲郎の著書『人間の学としての倫理学』 第一章「倫理」という言葉の意味 和辻は「倫理学とはなにか」という根本命題について<真摯にひたむきに>にとりこんでいる。を…